思い出深きカムエク山行        あ、ぼくらの山頂での写真が!

ここ数年、夏の日高山脈の山歩きを続けてきた中、3年前に敗退したカムイエクウチカウシ山(1,979m)に昨年9月初めに再挑戦して、天候もまあまあの幸運に恵まれて登頂に成功。でも、下山中、1000m三股の少し上のトラバースで滑って肩を脱臼してしまうというアクシデントを経験し、同行した苫小牧の2人の友人と登頂前日に八ノ沢出合で偶然一緒になった、かの有名な花sakagさんにヘルプを頂いて無事に下山した。約20年山歩きをしてきて、大きなケガは聖・赤石・荒川三山の2泊縦走を終えて3日目に千枚小屋からのんびり下山し(天気も良かったな)、清水平の先の林道横断場面で林道に降りる鉄階段で滑ってザックの下敷きになった指を骨折したときと今回のカムエクの合計2回かな。20年毎年25回山に行ったとして、かつ個々の山の行程リスクを平均的だと仮定して、500回の3シグマ(0.997)から計算される理論的なリスク発生が1.5だから、なんとなくそんなもんかな、という感じもするが。荒川三山のときは指の骨折で、歩くのには問題がなかったから必死に痛みを我慢して静岡まで運転して帰宅した。カムエクの時はケガをした地点がまだまだ気が抜けない場所がいくつもあったから、右手だけのストックワークで痛いほうの左腕を最小限に使って3点支持するしかなかったのでとても緊張した。八ノ沢出合に到着しテン泊中も痛みで殆ど眠れなかったけれど、ケガをしてから丸一日かかり(カムエクだものね、文明の地までたどり着くのもそのくらいかかる)苫小牧に帰着、整形外科で整復してもらってリハビリの経過をたどってなんとか回復。

ぼくのカムエクでのケガをリスクマネジメントの観点から見たときの、根本原因は?再発防止策は?と考えてみようか。トラバースで滑った場所は幅はせいぜい50センチくらいしかない、山側はササ、下山中の右になる谷側は灌木・草付き。少し左に曲がった曲線で距離は10メートルくらいかな。草付きの草にズルッと滑って支えようとした左腕の肩が脱臼した訳だけれど、原因が「滑る」事故を想定した装備・歩き方をしていない・・・装備の点ではスパイク長靴を使用したが、渡渉などの行程を考慮すれば通常の登山靴使用よりもリスクレスポンス能力が高い選択を取ったはず、また歩き方の点では50センチの幅のなるべく山側を歩くという対応が考えられるけれど・・・でも山側のササの枝も滑るからね。これは100%実効性があるとはいえないかも。それと、確かに登頂後の下山中はどうしても「気が緩む」とかテン場・登山口へ「気がせく」ことは無意識の中でもあるかもしれない、それが瞬間的な不注意に結びついたかもしれない・・・でもあの場面はテン場の八ノ沢出合までまだまだ難所があったから、そんなのんびり気分ではなかった。むしろ「滑る」事故を想定していても、実際に「滑る」ことを100%は防止できないから、またリスク対応策(歩き方、保持策・・・)も100%大丈夫ということはないから、事故が起きたときに、その事故の状況を的確に判断して、利用できるリソースを総動員して事故の対応を図るという実践的な知恵の方が大事ではないかと思う。その点からすれば再発防止は、同じ実践的知恵を、異なった場面状況に的確に応用できるための不断の訓練、ということになるね。

さて、思い出満載の昨年のカムエク山行なんだけど、花sakagさんが北海道新聞(札幌圏版)、各週金曜日連載の「ほっかいどう山楽日記」をまとめて出版する計画があるとのこと。そのページになんと、ぼくらと一緒に撮影した山頂の一コマがあるではないですか!いやあ、このときはやった!感に満ち満ちているね。その後の苦難が待っているとはつゆ知らずだ、まったく!苫小牧の友人の一人も何回もトライしては天候などに阻まれて初登頂だったしね。ぼくらの仲間の福島のベテラン山岳ガイドの方が看板屋さんに作らせて、もう一人の苫小牧の友人がこれを担いで登って、この写真の直演に設置したアルミの山名板も美しい。

kamueku plate

本当に思い出深い山、カムエク。八ノ沢カールから尾根上に出るとピラミッド峰、1823峰、コイカクシュサツナイ岳と続く稜線が見えて超カッコよかったなあ。またの機会に上二股、夏尾根でコイカクからピラミッドまで行こうかというハナシも出たけど、軟弱なぼくには八ノ沢・カムエクより容易とはいえど、依然ハードルが高いなあ。でも行きたい気もする。

ピラミッド峰(左)~1823峰(右)さらにコイカクに続く稜線
ピラミッド峰(左)~1823峰(右)さらにコイカクに続く稜線

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